『鈴なり星』の雑記

こちらは『鈴なり星』の平安時代物語や創作小説以外のブログです

平安時代のひすまし事情って


小学館国語辞典編集部サイト「Web日本語」にて大塚ひかり氏のエッセイが更新されてます。

今回のお題は「ひすまし」。
糞尿ネタでは必ずと言っていいほど紹介される「平中の糞尿奇譚」をもとに、樋洗女(ひすましおんな)の説明というよりはスカトロ男の心理に迫ったなかなか面白い話でした。

ひすまし事情については知らないことだらけです。
貴族の女性は排泄したものを外に出してもらわなければならないので、ひすましは必要不可欠な存在ですが、

・どこまでの身分の者が自分のひすましを持っていたのか。

上臈中臈下臈女房所属のひすまし達が、主家の屋内を箱持って大勢ウロウロ…は想像しにくいので、一人のひすましが何人もの女房のシモの世話を担当していたとか?排泄する部屋は主家の姫君や北の方は個人部屋として、使用人の女房たちに与えられた場所はどんなの?


・宴会などの大勢の貴族の集まりでは、ひすまし達はどこに控えていたのか。

便意や尿意をもよおした泥酔貴族が、自分担当のひすましの所まで行けるとは思えない。臨時で設けられたトイレ部屋の前で、Myおまるを抱えた貴族たちが、「次は私の番」「ワシもうガマンできんのじゃ」「じゃあ一緒に」だったら笑える。


十二単のまま、おまるにまたがったと思われますが、袴(はかま)は脱いだのか。

袴を脱がずに用を足すことが出来たのか?もし袴を脱いで用を足していたのなら、用を済ませた後、袴をはくのをひすましは手伝ったのか?(←いい身分の人は自分で着ないから)
でもひすましごときが上流身分の貴族に近寄れるとは思えないし。

などなど、楽しい妄想が広がっていきます。
シモネタ風俗事情って、資料にあまり残ってないような。

あと女御や大貴族の姫君(既婚)の「妊娠」という超重要事項では、生理の有無が決め手になりますが、北の方や殿とかがわざわざひすましを密かに呼んで、どないやねん!」と確認するんでしょうか。
するんでしょうねーきっと。
ということは、女御や権力者の姫の排泄物の箱の中身って、ひすましが目視で毎回チェックしているわけですね。
日頃からチェックしてないと、病気になったときも「いつごろからゲリが続いてまして」とか判断できないし。

そう考えると、ひすましの存在ってとっても重要です。