『鈴なり星』の雑記

こちらは『鈴なり星』の平安時代物語や創作小説以外のブログです

『新耳袋 激動の日本史編』


新耳袋 激動の日本史編 ギンティ小林
           洋泉社¥1200』

誰がどう見ても村上春樹著『1Q84』をパクッたとしか思えない装丁。でも絶対買い間違えることのない装丁。「Q」じゃなくて「G」、オバQを連想させる目と毛が3本。Gって何だろ。著者ギンティのGかな。本の表紙からしてすでにフザけている感じがプンプンするんですが、内容も予想に違わずキチ○イ集団の心霊スポット特攻でした。

内容は、本家『新耳袋』の中の心霊スポットを突撃する、というものですが、本家の不気味テイストをぶち壊しにかかってるとしか思えません。本人たちは「殴り込み」と意気込んでいますが、コンビニでたむろしてるヒマな深夜族の肝試しと何ら変わりありません。

で、何してるかというと、心霊スポットの中に一人づつ入って霊を挑発する行為を行い、何か心霊映像が撮れれば儲けもん…不謹慎ですよね!w
すんごい怖い思いしながら単独で侵入し終わった後、次に肝試しするヤツを怖がらせるべく心霊アパートの窓ガラスを外から叩いてみたり、霊園の心霊ポイントに隠れて空き缶を投げてみたり。おいおいビクビクしながら肝試しコース歩き終わったら、今度は怖がらせる側に回るんかい!と読んでて突っ込みまくりでした。この人たち、絶対に心霊なんて信じてないと思う。

以上、悪評めいたことばかりに見えますが、このテの突撃ルポ大好き。特にこのギンティ小林シリーズは全部持っていて、ホットな文章がじんじん来ます。怪談本を読んだなーという読後感いっさいナシ。リアクション芸人が文章書いたのを読んだ感じ。
でも回を重ねるごとに、イタズラがじわじわとエスカレートしていってませんか。その場所で凄惨な事件とか、哀しい事故などがあったわけだから、故人への畏敬の対応とかもうちょっと何とかならんか、と思った次第です。暗闇の中の特攻はそりゃあ怖いだろうけど、文章で見ると挑発というより悪ノリがどんどんエスカレートして~みたいにしか見えん。