『猫で語る怪異1 TONO著 朝日新聞出版 ¥820』
伊藤潤二先生大絶賛のオビに完全につられて購入しました。しかも挿絵まで大サービス。いやあ伊藤先生の吸引力ってすごいや。
実話怪談描くにあたり、苦手な人でも大丈夫なように人間を猫に置き換えて描いてみたけど上手くいくでしょうか~と著者が前書きで書いていましたが、自分にはあまり上手く伝わらなかったなーと思いました。
どれが体験者Aさんで、どれが友人Bさんで、どれが生霊Cさんでどれが坊主Dで(以下略)わかりにくい。もちろん毛並みや柄で判別できるようにしてありますが、やっぱ一瞬で認識できないと。えーとこの猫が不倫したA子でこっちが~とか確認してると話が入って来づらかったです。
話の一つ一つはとても面白く、絵柄が普通だったら記憶に残る一冊なのになあとちょっと残念。
第七話の海の水死の話は、毎年必ずニュースで見られる現実の事故に絡めた話なので印象に残りました。
あとがきに書いてありますが、「あちらこちらで聞いた話を適当につなげてアレンジした」とのことなので虚実ないまぜのようです。
あっ…そういうことは書かないで(小声)。