『鈴なり星』の雑記

こちらは『鈴なり星』の平安時代物語や創作小説以外のブログです

鎮宅霊符神社&御霊神社

先日、朝の情報番組『シューイチ』で狛犬マニアの人が、
奈良県の鎮宅霊符神社に笑う狛犬がいる」
と語っているのを聞き、行ってまいりました。

ならまちは迷路。枝分かれしまくりだし路地裏より狭い道だし。
スマホや案内板を何度も確認しなければたどり着けないくらいゼンゼン目だたない場所に神社はあります。


境内広く見えますが、実際は建売住宅4軒分+道路くらいの敷地面積。両隣は普通の住宅。住宅を写さず神社だけを写すのが難しいくらい接近してる。その住宅と神社の境界に背の高い木塀があります。民家を写すなってことですね。これはプライバシーに特に配慮せねば。

かつて陰陽師が多く住んだ陰陽町(いんようちょう)にあるこじんまりとしたこの神社、陰陽師衆の鎮守の祭壇所だったとか。敷地面積以上の広々とした気持ちよさを感じる場所です。



確かに笑ってる。しかも一体はめっちゃ大笑いしてる。破顔の阿吽です。
ジャイアンツのウィーラーみたいな愛され笑顔の狛犬たちです。


狛犬のしっぽ。渦巻きに扇を広げたようなステキなしっぽです。

ここは無人の神社で、御朱印は御霊神社でいただけるそうなのでそちらへ向かいます。


こういう標識やスマホないと歩くのホント無理。アップダウンあり枝分かれありの狭い道で迷子になりそうです。で、御霊神社に到着。


鳥居の両脇に控える狛犬の足に結ばれている赤い紐にギョッとしますが、商売繁盛=客足が遠のきませんように等の民間信仰なんですね。

 


手水で清め、祓戸神社でごあいさつ。
ここの手水舎は龍の口。神聖な気持ちになります。


拝殿はすっきりとしてとても上品な雰囲気。
この神社は氏子さんが大変多いとか。皆に慕われ愛されているというのが伝わってくる、整った気持ちの良い神社です。


屋根飾りは格式高い桐の紋。桐であれば下の鳥は鳳凰かな。菊の花も見えるしとても優美なデザインです。


こちらの狛犬は瞳は金色に輝いているし口やたてがみは赤く染まってるし、なかなかの男前ぶりです。
そういえば信貴山朝護孫子寺の仁王門の所にいた狛犬は、仁王像を仰ぎ見るようなポーズとってたような(うろおぼえ)。

この御霊神社の御祭神は井上皇后他戸親王、事代王命、早良親王藤原広嗣、藤原大夫人、伊予親王橘逸勢、文屋宮田間麿(省略すると何かに怒られそうだから全部書いた)。超豪華メンバー勢ぞろいです。
奈良の町の出入り口の三つの街道に、疫病の侵入を防ぐため早良親王・井上皇后他戸親王の御社が作られた話が好き。疫病神が奈良の大路をやって来る闇のイメージとそれを迎え討つ三人の神様の図って、岡野玲子の漫画『陰陽師』の百鬼夜行や鬼のみちゆきのあの対決シーンを想像してしまう(興奮全開)。

 


上が鎮宅霊符神社、下が御霊神社の御朱印
書いて下さった方が優しいお声の穏やかな方で、そのお人柄が現れてるような文字です。御霊神社の霊の文字が旧字体なのがうれしい。