『鈴なり星』の雑記

こちらは『鈴なり星』の平安時代物語や創作小説以外のブログです

『怪の手形』


『怪の手形 吉田悠軌著 竹書房文庫¥650』

異次元に足を踏み入れたような話「道に迷ってしまって」「小峰峠」、メリーさん系「イタズラ電話」「なにしてるの」、学校の怪談系「123のピエロ」「ダンディー先生」などなど、都市伝説が好きな人にはオススメな話が目立ってるかんじ。

話に入り込めなかった「太子堂にて」。孫誕生で家族和気あいあいの中、おじいちゃんが一同の前で”今まで何度も人の死に立ち会ってきた”と雰囲気ぶち壊しの縁起でもない話をし始め、それで終わり。じいさんの昔語りで終わり?老害か?と残念でした。
話に入り込めなかったパート2「地鎮祭」。作業計画の説明もないまま、いかにも怪しげな建設現場で、霊能者っぽいじいさんに言われるがままポリ袋に地縛霊をどんどん入れるとか、ぼのぼののしまっちゃうおじさんかよと思ったし、じいさんが”ギャアアアあそこに霊が300人居る”って数えたんかいコントかよ、と意味不明な話でした。

「参列」前半分ほんのりいい話からの後半ギョッとする流れは好き。起承転結からさらに転結な展開で面白かったです。

「ホオノキ」はとても有名なご神木なんですね。伐採どころか葉っぱ一枚触っても祟られるなんて怖えええ。現場主義の吉田悠軌氏が、直接現地に出向いて聞き取り調査してるのもいい。死者多数で記録に残る規模の大事故が、長年にわたって次々と起きている無人の神社って、そんなガチなご神木あるんやーとゾッとします。

おっ良い解決法ひとつ思いつきました。
伊藤三巳華氏にお出ましいただいて、ご神木に霊波を合わせてもらってはどうでしょう。ご神木のホオノキから何かアドバイスが得られるかもしれません。わりと真面目に言ってるつもりです。