『鈴なり星』の雑記

こちらは『鈴なり星』の平安時代物語や創作小説以外のブログです

『平安貴族 嫉妬と寵愛の作法』

『平安貴族 嫉妬と寵愛の作法
   繁田信一著 株式会社G.B ¥1600』

この著者のタイトル付けは本当にそそられる。
「呪いの都平安京」「平安貴族のおまじない」「王朝貴族の悪だくみ」「かぐや姫の結婚」「殴り合う貴族たち」などなど。「殴り合う~」なんてサブタイトルが「平安朝裏源氏物語」だし。「評論」を強調したお堅いタイトルばかりの古典本の中、つい手に取ってパラパラとめくってみると、目次も心を鷲掴みされるような上手い一行が並んでる。そのインパクトに惹かれてどの本もだいたい購入するんですが、「思ってたのとやや違ったな」と思うことが多いです。
この本も、怨みや妬み・あの事件の裏にはこんな愛憎が…みたいな週刊誌的なドロドロ話題かと思いきや、すごく普通にわかりやすい王朝生活ガイドブックでした。
イラスト図解が豊富で、当時の衣食住や風俗がひと目で明確に理解できるように工夫されている点はとても良い入門書です。