『鈴なり星』の雑記

こちらは『鈴なり星』の平安時代物語や創作小説以外のブログです

実話怪談

『火葬場で働く僕の日常』

『火葬場で働く僕の日常 下駄華緒著 竹書房 ¥1100』先日読んだ「遺体と火葬のほんとうの話」が葬儀屋サイドの話なら、こちらは火葬場サイドの話。漫画です。著者の下駄華緒さんは火葬場職員として実際に焼き担当をされているバリバリ現場の方です。制御盤の…

『遺体と火葬のほんとうの話』

『遺体と火葬のほんとうの話 佐藤信顕著 二見書房 ¥1400』創業90年超えの老舗葬儀社を経営する著者。葬儀手配の現場で長年働いてこられた方の語りは(比較するのもなんですが)実話怪談作家のそれとは全然違って、「気づき」がたくさんありました。そもそも…

『異職怪談』

『異職怪談 正木信太郎 しのはら史絵 著 彩図社 ¥1200』珍しい職業に就いている方々が、就業中に遭遇した怪異集。前書きでこの本のできた経緯が述べられている『はじめに』が、すでに第一話も同然の怪談になっているのが珍しいです。登場する方々の職業は、…

『宿にまつわる怪異譚』

『宿にまつわる怪異譚 寺井広樹・正木信太郎共著 イカロス出版 ¥1600』ビジネスホテル、カプセルホテル、ラブホテル、温泉宿、宿坊、キャンピングカー、宿直室など、さまざまなタイプの「宿」での怪談集。自宅とは違う、慣れない宿で妙に神経が冴えて眠れな…

『いまどきの死体』

『いまどきの死体 西尾元著 幻冬舎 ¥1200』3000体を法医解剖したプロが明かす、幸せな死に方とは。実話怪談系かなと思い購入しましたが、そうじゃなかったです。が、非常に重く厳しく身のすくむような実例と著者の所感がつづられており、多くの人に読んでも…

『心霊外科』

『恐怖箱 心霊外科 加藤一編著 竹書房文庫 ¥650』ポチッた時にオビの画像なかったんですが、自宅に到着した本のオビのキャッチコピーと紹介文を見て、なんかちょっと不安に。病院で起きた怪異譚を期待しての購入だけど、悪霊怨霊ばかり出てきてそれを知人の…

『事故物件怪談 恐い間取り』

『恐い間取り 松原タニシ著 二見書房¥1400』今から10年以上前、北野誠の『おまえら行くな』で、心霊現象をカメラに収めるまで事故物件に住みづつけろという企画がありました。当時この本にドはまりしていましたが、「北野誠の思い付き企画で…この知らない芸…

『病院で起こった不思議な出来事』

『病院で起こった不思議な出来事 南淵明宏著 マキノ出版 ¥1300』心臓外科の名医が体験した恐怖譚…かと思いきや、著者本人が怖い話を怖い話としてとらえていないのがユニーク。 著者の有する科学知識では説明できない体験と、年間200件超の手術風景での心の…

『忌み地 怪談社奇聞録』

『忌み地 福澤徹三著 講談社文庫 ¥600』怪談社の糸柳氏と上間氏が全国各地のいわくつき物件を中心に取材し、執筆は福澤氏という本。福澤氏は著書の前書きや後書きで「取材は徒労に終わることがとても多くて」とこぼしてばかりで、いやこのぼやき芸が面白く…

『京都怪談 神隠し』

『京都怪談 神隠し 竹書房文庫 ¥650』京都にゆかりのある作家たちによる京都が舞台の実話怪談集。朱雀門出、田辺青蛙、舘松妙、深津さくら、花房観音が執筆。京都、という言葉には抗いがたい魅力があって、それはこの地の文化や歴史がとてつもなく厚い層に…

『水辺の怪談』

『水辺の怪談 つり人社出版部編 ¥1089』一般人の釣りマニア18人が体験した怪談集。一般人の投稿とは思えない素晴らしい文章で、恐ろしさがジワジワと伝わってきます。出版にあたってもちろん校正かけてるでしょうが、プロの実話怪談作家に全くひけを取らな…

『信州怪談』

『信州怪談 丸山政也著 竹書房 ¥680』長野県に特化した実話怪談集。現代に起きた怪談はもちろん、民話や伝説など幅広く掲載。伝説といってもファンタジー系ではなく、確かにそこで何かが起きたという痕跡が残っている話が多数掲載されています。山岳系の怪…

『怪談実話コロシアム 群雄割拠の上方篇』

『怪談実話コロシアム 群雄割拠の上方篇 幽編集部編 MF文庫ダ・ウィンチ¥590』怪談専門誌『幽』と『冥』の「怪談コロシアム」というコーナーに掲載された作品を書籍化したものに中山市朗氏の書下ろしを加えたものです。まず装丁がユニーク。悟りの丸窓から…

『怪の手形』

『怪の手形 吉田悠軌著 竹書房文庫¥650』異次元に足を踏み入れたような話「道に迷ってしまって」「小峰峠」、メリーさん系「イタズラ電話」「なにしてるの」、学校の怪談系「123のピエロ」「ダンディー先生」などなど、都市伝説が好きな人にはオススメな話…

『酔 怪』

『酔怪 加藤一編著 竹書房文庫 ¥650』夜の酒場に集まる客やそこで働く人々の目撃談、お供え物の酒にまつわる怪談、酒を使った奇妙な儀式などなど、お酒とそれに絡んだ人々の恐怖短編集。怪談作家が怪異を体験した人に取材する時、酒の席を設けて話を聞く、…

『怪談与太話』

『怪談与太話 伊計翼著 イカロス出版 ¥1204』全国で怪談を蒐集し続けるヘンな団体「怪談社」が贈る新感覚の怪談×爆笑エッセイ!すいません、死んだ嫁が化けて出るんで、今夜はドロンで(オビより引用)。死んだ嫁がどうのこうのは本文とはまったく関係なく…

『事故物件に住んでみた!』

『事故物件に住んでみた! 森史之助著 彩図社 ¥590』「自殺対策白書」などの政府の統計を読み解くと、日本では年間5000件以上の自殺による事故物件が誕生している(本書発行2012年時)。住んでいたアパートが取り壊しに遭い、自宅を追い出された著者は、家賃…

『山 怪』

『山怪 田中康弘著 山と渓谷社 ¥1200』『山怪』『山怪 弐』を読みました。山での不思議な出来事を、全国各地のマタギ、猟師、林業関係の方々からひたすら聞き取り記録した2冊。大多数が怪火、狐および狸に惑わされた話ですが、日本全国の山には共通する「…

『海の怪』

『海の怪 鈴木光司著 集英社 ¥1200』海大好きでヨットも所有する著者が実際に体験した不思議エッセイ。怪は怪でも海底に霊が漂っていて…みたいな話ではなく、「板子一枚下は地獄」の恐ろしさが全編にわたって感じられます。自分も漁師町育ちなので共感でき…

『怪談を書く怪談』

『怪談を書く怪談 加門七海著 メディアファクトリー ¥1300』本書のために新たに三篇書下ろしと書いてあるけど、全部で何篇あるんだろう、読んだことある話ばかり再録されてたりしたらうーん、と思いつつ購入。結果、12話のうち記憶に残っている話が3つ。再…

『出没地帯』

『出没地帯 川奈まり子著 河出書房新社 ¥1300』前書きも兼ねたような第一話「怖い私」は、同業者で著者と共演したAV女優さんたちが何人も気の毒な亡くなり方をしているという話。普通の怪談実話本は他人の怪異体験が語られるものですが、この本は著者の怪異…

『里山奇談 ~よみがえる土地の記憶』

『里山奇談 よみがえる土地の記憶 coco 日高トモキチ 玉川数 著 角川文庫¥620』里山に生息する昆虫を追いかけることが趣味の虫屋たちが野山で遭遇した、怖くて不思議な出来事をまとめた本。全41話の短編集。『ヱド』の、いわくつきの土地は必要悪で、入って…

『怪談現場』

『怪談現場 東京23区 吉田悠軌著 イカロス出版¥1400』『怪談現場 東海道中 吉田悠軌著 イカロス出版¥1500』とうもろこしの会のポッドキャスト配信でおなじみ、会長吉田悠軌氏の怪談本2冊です。東京23区限定の第一弾と、現代の東海道=国道1号線沿いに限定し…

『怪社奇譚 二十五時の社員』

『怪社奇譚二十五時の社員 黒木あるじ著 だいわ文庫 ¥600』 怪異に遭遇する場所が職場であったとしたら…職場にまつわる話だけを集めた奇譚の数々。 職場、と言っても雑居ビルや都会のオフィスの話多し。怪異に遭遇した人に恨みを持つ霊とかでなく、その会社…

『鉄道の怖い話』

『鉄道の怖い話 西本裕隆著 廣済堂文庫 ¥571』オビ文は、「ショック!すべて実話!!鉄道にまつわるホラーストーリートンネルで、駅の待合室で、深夜の踏切で、死者の怨霊が襲いかかる…」です。身の毛もよだつキャッチコピーです。中身も攻撃的な霊が出てく…

『怪談日記』

『怪談日記 怖い体験をしすぎて怪談家になってしまった芸人 ありがとう・ぁみ著 イカロス出版 ¥1204』よしもと芸人がさまざまな怪奇に遭遇しながら有名ライブハウスを満員にする人気怪談家になるまでの自伝的実話怪談集。↑オビ裏のキャッチコピーです。本当…

『現役鉄道員”幽霊”報告書』

『現役鉄道員”幽霊”報告書 氷川正著 学研 ¥1000』サブタイトル「幽霊が出る駅、路線教えます」ズバリ駅名が表記されてるのは超有名どころの駅で、ほとんどは「東京近郊県のA路線のB駅」みたいな表記です。がっかりするかどうかは読み手の気持ち次第。”視え…

『百万人の恐い話』

『百万人の恐い話 住倉カオス著 竹書房 ¥650』興味ある話と胸糞悪くなるような話などが混じった本。新聞の取材記事風の文章が好きなので、そういう意味でこの本に好感持てますが、「私は何処にいる」「偽造心霊写真」「友人の行方」「三角形の部屋」などは…

『怪談実話FKB饗宴7』

『怪談実話FKB饗宴7 平山夢明著 他 竹書房 ¥650』オビ文に、「死出の旅路に紛れ込む様々な恐怖実話! 屍もナイトメアを見る!」とあります。字面はおどろおどろしいけどやや意味不明。ですが最後まで読んだ時、このオビ文がなぜ文章明瞭意味不明なのかちょ…

『黒本 平成怪談実録』

『黒本 平成怪談実録 福澤徹三著 新潮文庫 ¥362』 淡々と進む福澤文体が好きですが、今回は何の感情の高ぶりもなくあっさり読了してしまった。コロナウィルスによる自粛疲れで、読み手側の感覚が劣化してるせいだと思う。 福澤氏のまえがきは本当に面白い。…