『鈴なり星』の雑記

こちらは『鈴なり星』の平安時代物語や創作小説以外のブログです

『事故物件に住んでみた!』

 

『事故物件に住んでみた! 森史之助著
           彩図社 ¥590』

「自殺対策白書」などの政府の統計を読み解くと、日本では年間5000件以上の自殺による事故物件が誕生している(本書発行2012年時)。住んでいたアパートが取り壊しに遭い、自宅を追い出された著者は、家賃が格安だという事故物件に入居を試みる。引っ越しまでの道のり、そして引っ越してからの体験は、通常のお部屋探しでは味わえない恐怖とスリルに満ちたものだった(帯の文より)。

当時著者が住んでいたUR都市機構の建物が老朽化で退去せざるを得なくなり、もともとお金に窮していた著者が、同じURが扱う破格の安さのワケあり物件、それも先住者が自殺で死亡した物件のみにターゲットを絞り、物件当選までの経緯やその物件の表と裏を明かす、という内容。

結論から言うと、実際住んでみた著者は特に心霊現象に悩まされたりもせず暮らし、格安家賃には期限があるのでその割引期間(1年)が満了したら次の事故物件に移り住む、そんな生活をしたいようなかんじでこの本は終わりました。

ガチで格安ワケあり物件に住みたい人には、この上ない非常にレアなハウツー本にになると思います。著者が新聞記者出身で、最初から最後まですべての現地に足を運び、関係者へ聞き取りしているところがすごいです。

あと賃貸物件で自殺なんか絶対しちゃダメ!ってこと。

こことっても重要。持ち家でももちろんダメですが、賃貸で自死したあとの遺族の負担は、心霊現象なんか吹っ飛ぶくらいとてつもなく大変です!