『鈴なり星』の雑記

こちらは『鈴なり星』の平安時代物語や創作小説以外のブログです

伊藤三巳華『怪眼』


『怪眼 伊藤三巳華著 朝日新聞出版 ¥600』

スピ散歩や視えるんですの3頭身キャラとは違う、いたって真面目な絵に加え哀しい話多めなので、『スピ散歩』的なスピリチュアル要素は薄いです。
個人的には、『視えるんです』に多用されている「私のへっぽこ霊感で対象物と波長を合わせたる」心意気に見られるアグレッシブな話より、目の前に起きる怪現象をただただ受け入れているこちらの本に好感持てます。

印象に残った話は「死を待つ女」。
自殺者が絶えないマンションを視てほしいと相談に来た赤西さん(多分仮名)が半分興味本位でマンションを案内してたのに、次第に場の空気に憑りつかれ異様なハイテンションになっていく姿が地味によかったです。心霊スポット探検中に様子がどんどん変わっていく随行グラドルってこういう感じなんだろうな。端役赤西さんの変化をもうちょっと描いて欲しかったですね。
「呪いの果て」は盛り込み過ぎ感が。パート1~4くらいに分けた方がよかったかも。著者の一番言いたい箇所がどこかわからないw