『鈴なり星』の雑記

こちらは『鈴なり星』の平安時代物語や創作小説以外のブログです

『怪談実話FKB饗宴7』


『怪談実話FKB饗宴7 平山夢明著 他 竹書房 ¥650』

オビ文に、
死出の旅路に紛れ込む様々な恐怖実話!
 屍もナイトメアを見る!」

とあります。
字面はおどろおどろしいけどやや意味不明。
ですが最後まで読んだ時、このオビ文がなぜ文章明瞭意味不明なのかちょっとわかった気がしました。

ラスト近くに黒木あるじの「確率」という話があって、トークイベントに来ていた客が怪談製造シートなる物を発明したと得意げに披露するというもの。
要は転がしたサイコロが止まったところに書いてある適当な恐怖ワードをつなげていくんですが、

このオビ文、怪談製造シート方式で作ったやろ。

と確信するくらい意味不明。

第1話の松村進吉「ある工場」、第2話の黒史郎「ビンタ」。ああいやだなあという不快さを感じる話から始まり、ずっとこのトーンで終始するのかなと思いつつ読み進み、モヤモヤとしたまま読み終わってしまいました。我妻俊樹「ナイフ」は特にモヤモヤ。
よかったのは飯野文彦「飲み講」。
体調不良でかつ二日酔いの日の最悪な飲み会の様子が実にリアルに描かれていて、大人なら誰しも大なり小なりこんな状況の夜を経験してるよねーとしょっぱい気持ちになった次第です。