『鈴なり星』の雑記

こちらは『鈴なり星』の平安時代物語や創作小説以外のブログです

『FKB 饗宴6』


『FKB 饗宴6 平山夢明 他著
     竹書房文庫 ¥648』

今回で六作目となる本シリーズですが、レギュラー陣に加え、作家に限らず〈此の人はきっと変わった経験をしているに違いない〉って人に相手の都合もおかまなし(←原文ママ)に声を掛けた結果、高名な精神科医の先生やら新宿で怪人が夜な夜な集まる店の裏番長やら、関西方面で世間をのたうち回らせている放送作家、女優林由美香嬢への愛とその魂の果てまでを追い続けた鬼才監督までが初参加してくれたという屈強の布陣になったようで、主催のこっちとしては嬉しくて小躍りしている有様なんです(あとがきより抜粋)。

異業種の作家陣がスパイス効かせるこのシリーズ、今回は放送作家精神科医という、このテの話題には事欠かない業界からの出品です。

春日武彦医師の『大祝巳先生、講義でしみじみと語る』とても興味深かったです。新聞の三面記事からスタートした精神病理学の講義というストーリー。実際に起きた事件を扱った話は普通の実話怪談作家も書くけど、ちょっと格の違う面白さ。引き込まれます。

放送作家吉村智樹の『魂こがして』は非常に怖い話。死んだと思われる動物をひたすら温めると息を吹き返すケースがあるというトークから、じゃあ人間では?という話になって。。。
いやだ~こんな生き返り方は超いやだアアアア~でも大丈夫。まともな意識が一瞬でも戻るとは思えないし、何より今はドライアイスで内蔵までカッチコチだもんね!不可逆不可逆www
けど恐ろしすぎて忘れようにも忘れられない話でした。