『鈴なり星』の雑記

こちらは『鈴なり星』の平安時代物語や創作小説以外のブログです

怪談実話FKB饗宴4』


『怪談実話FKB饗宴4 平山夢明
      竹書房文庫 ¥648』

怪談話というより、奇妙で何か腑に落ちない話が多かったです。
心霊現象に遭遇してエラいめに遭いました、実はその現場にはこんな由来が…のような話はほとんどなく、原因のわからないオチのない話がけっこうあって、そこを書き手の文筆力で不気味に仕上げてあって、今までの饗宴シリーズとはちょっと違ったテイストかも。

ちょっと変わったバイトを頼まれた「封筒を置いてくる」や、古墳の傍のやたら交通事故の多い「四辻」、「かたつむり」「ナクコモダマレ」「木下君」などは、気味悪い疑問符で頭の中がいっぱいになる話で、ぜひ真相が知りたいところ。

「お茶をまく」怪異現象に心当たりないと言いながら、十分思い当たることしてたカーチャンの話。カーチャン、ド天然過ぎるw

「合法的殺人」呪いの儀式をする女の話は精神的に痛々しい女が多いけど、これは男。オレの呪いは百発百中~とひけらかす傲慢で鼻持ちならない態度がムカつく野郎です。

「ダーツな男」どんな相手でも口説き落とすことに命をかける男の話。どこをどうやったらここまでオカルト仕立てになったのか謎なほどのバカ話。作家さんの筆力すごい。

あと、「夜に生物を捨てるな」「北国の怪談2」など、書き方によってはホラーにならないだろうなーと思えるような話もちらほら。やっぱり作家さんてすごい。
「コックリさんのしっぽ」なんて、自分の尻のトラブルとコックリさんの関連付けが飛躍しすぎて、いかにも中学生女子の考えそうなことだなーと妙にリアルで感心しました。やっぱり作家さんて本当にす(もうええっちゅうねんw)。

そんな怪談?話ばかりだったので、「病院通り」「ミヨコちゃん」などが正統派怪談実話に思えてホッとしましたww