『鈴なり星』の雑記

こちらは『鈴なり星』の平安時代物語や創作小説以外のブログです

『FKB怪談五色』


『FKB怪談五色 竹書房文庫 ¥638』

著者は黒木あるじ、伊計翼、黒史郎、つくね乱蔵、朱雀門出の5名。
5人共著の怪談五色シリーズ第一弾。怖くてゾッとする話より、ベタな話や不快な話が多かった気がする。

黒史郎第1話『クローゼット』第2話『黄色ばばあ』よくある定番的な話が2話続き、えっこの調子で行くのこの本?と思ってたら『耳かき』『尿臭』は不快でしたねーもう最低。おまえの風呂ションに何の価値があんねんジジイ!って思った。
伊計翼の乾いた感じの文章は好きなので、『日常にひそむ怪』は面白かった。パンダセンター出身のパンダに戦闘技術も教えなければならない説はとてもユニークで、住職と不良の話はほろりとくる良い話。
つくね乱蔵『ダブル役満』『錆びついた墓』は気味の悪い話。特にダブル役満の方は、実際にこういう後ろめたいことをしている業者がまあまあ居そうで恐ろしい。『笑顔の記念写真』はつくね氏9作品の中でここだけ突出してウソのように明るい怪談です。清涼水のような爽やかな後味残す『笑顔の記念写真』がこの本の中で一番良かったです。