『鈴なり星』の雑記

こちらは『鈴なり星』の平安時代物語や創作小説以外のブログです

『闇鍋怪談 猟奇の桜』


『闇鍋怪談 猟奇の桜 居島一平
       竹書房文庫 ¥638』

はずれ?アタリ?前書き読んでイヤな予感が頭をかすめる。何というクッソ丁寧にへりくだった前書き。この芸人さんてこんなねちっこい芸風?何か知らんけど。読者に対して無駄にへりくだり過ぎてイヤミったらしい。
サブタイトル「猟奇の桜」は次回作の可能性ありということか、ただ単に「同期の桜」をもじりたかっただけなのか。

『口寄怪談』でも書いたけど、芸人さんの書く怪談て、オチつーかキメ台詞多いですね。この本で言えば「青い蛍」「通れずのトンネル」「魅入られて」など。話芸なら聴衆は引き込まれるだろうけど、目でながめる文章ならどうなんでしょう。やはりもうひと工夫して不自然さをなくして欲しい。
「通夜の友」は、すがすがしいくらいのおとぎ話。この本の中の一服の清涼剤。
「奇妙な野菜」は、昔「パタリロ!」によく似た話があった。パタリロの方は美少年の死体を養分に華麗な花が咲いてたけど。
「癒しの隠れスポット」この話が一番不気味でした。その時現場では何事もなかったのに、後日聞くと集音マイクにいろんな人の声が、しかも人間を拒否ってる声が入ってるってのは不気味。