『鈴なり星』の雑記

こちらは『鈴なり星』の平安時代物語や創作小説以外のブログです

『異能怪談 赤異本』


『異能怪談 赤異本 外薗昌也
      竹書房文庫 ¥638』

著者の本職は漫画家だそうですが、何という怖い表紙。でもご本人の絵じゃないです。読んでる途中の本は平置きしてるけど、この装丁怖いからいつも表を見せないように置いてた。読み終わったんでやっと縦置きできる。

面白かったです。文章に勢いがあって軽快で、漫画家さんなだけに頭の中で光景がイメージしやすく一気に読めた。どれくらい軽快かというと、一話ごとにコントの終わりの「チャンチャン♪」みたいな効果音がついても違和感ないくらい。ネットのSNSを駆使して怪異譚を収集・披露しているとは新しい切り口です。
一番怖いと思ったのは、ラストの話「僕の家」。著者自身が遭遇した怪異現象の数々も充分怖いけど、それよりも著者のお父さんが一番怖い。「どうだ、ビックリしたか?面白い家だろう、いい物件だろう?」と上機嫌のお父さん。しかもいわくつきの家と知ってて買うとか怖いわー。そういう物件に無意識に引き寄せられるっぽいカンジも怖いわー。