『鈴なり星』の雑記

こちらは『鈴なり星』の平安時代物語や創作小説以外のブログです

『文藝百物語』


『文藝百物語 東雅夫編 角川ホラー文庫¥629』

井上雅彦加門七海・菊池秀行・篠田節子・霧島ケイ・竹内義和田中文雄・森真沙子ら稀代のホラー作家による驚愕の怪談実話集。と裏表紙に書いてありましたが、知ってる作家といえば「私はちょっとそのへんの視える人とはグレード違うよ」的オーラを随所に感じさせる加門七海と、三角屋敷の話で知った霧島ケイ、それとラジオで下衆い話を好んで話す竹内義和くらい。あとは知らない。でも個人的には「女たちの怪談百物語」「男たちの怪談百物語」より面白かったです。「新耳袋」の土台みたいな本です。
放送局の怪談が好み。釣りの怪談も好み。

10話ごとにまわりの状況や参加者の様子が簡単に説明されるんですが、会場となった旅館の外で異変が起き始めるんです。参加者も何かおかしい外の気配に感化されて、「誰それさんの顔が」だの「割れた窓の方からすごい圧迫感が」「あなたの影だけ妙に薄くない?」と怯え出すんです。
朝になって見ると旅館の向かいがお通夜で、夜中の妙に慌ただしい気配はそのせいだったというのがオチ。というかこれが100話めのシメのネタ(実際は100話以上収録したらしいけど)?
お通夜の最中のお向かいで、百物語を堪能してるとかかなりヤダー。