『鈴なり星』の雑記

こちらは『鈴なり星』の平安時代物語や創作小説以外のブログです

セクシィ古文!

 


『セクシィ古文! 田中貴子
   メディアファクトリー¥900』

買いたくてもレジに持って行くのをためらうような表紙。

まえがきには、
「エッチなことばかり考えている学生が、古文には実はこんな事ばかり描かれていると知ったら、まちがいなく古文の成績は上がり、高校生の古文読解能力が飛躍的に伸びることは間違いなし!」

と書いてありますが、どうでしょう。この本読んで自分読解能力あがったかな。
今昔物語の手コキならぬカブコキの強烈なひとコマとか、国生みのエロおかしいマンガとか、やはりマンガの威力はたいしたもので、読解能力はあいかわらずさっぱりだけど、とりあえずストーリーだけはマンガのおかげで覚えた!みたいな高校生は増えたと思います。
なので次回は古文読解攻略のために、助動詞活用などをエロ題材に絡めた『セクシィ古文活用形!』みたいな続本をぜひ希望します。

しかし、平安当時のやんごとなる貴族の女性は、こういったエロ満載な物語を楽しんでいたのか疑問ですね。この本に採り上げられた題材は、

・寝所に通ってくる男を選り好みできない
・夜離れを悲しむ和歌を身につけさせられる
・常に暗闇での房事の為、勃起した男性シンボルを見た事ない

という生活をしている上流階級のお姫さまには無縁のものばかり。
つまり、ずばりそのモノのエッチな話の多い今昔物語や沙石集etcなどは読ませてもらえなかったんじゃないかと思います。
エロ古文が現代の教科書に取り上げられないように、我が娘のために「あれはダメ、これもダメ、それは小綺麗だからヨシ」なんて事前に検閲しまくる王朝時代の父親の姿が目に浮かぶようです。

しかしここまで直接描写なエロ話を紹介しているのに、究極の王朝ポルノ絵巻『小柴垣草子』が載ってないのが不思議。
聖女なる斎宮を犯しまくる『小柴垣草子』はセクシィな古文の最右翼だと思うんですが。