『鈴なり星』の雑記

こちらは『鈴なり星』の平安時代物語や創作小説以外のブログです

ビーバップ!百人一首の真実

昨夜の朝日放送(1/14)の「ビーバップ!ハイヒール 百人一首の真実~現代版ドラマ訳」とても面白かったです。
(↑関西エリアだけかも)

謀反の疑いをかけられ出家→蟄居していた宇都宮頼綱が、邸内に飾る襖絵を新調する際、懇意にしていた藤原定家が襖絵のために百首の和歌を選んであげた…というのが小倉百人一首の始まり。起源初めて知りました。

社内恋愛風につくった百人一首ドラマがとても面白く、和歌のひとつひとつに現代版恋愛ドラマをあてていけば、100の共感できるストーリーが出来上がるでしょうね。


・難波江の蘆(あし)のかりねのひとよゆえみをつくしてや恋ひわたるべき(皇嘉門院別当

(とあるオフィスで)
A子「(写メ見て)うわーすっごい男前じゃん」
B子「先週土曜に難波に旅行した時にね、声かけてきた男と意気投合しちゃって」
A子「で?」
B子「その晩一緒にホテルに行ったの。でもそれっきり」
A子「えーもったいなーい」
B子「旅先での遊びだって割り切ってたんだけど、忘れられなくてね…ハァ」


・わびぬれば今はた同じ難波なるみをつくしても逢わむとぞ思ふ(元良親王

社内きってのモテ男元良が、危険と知りつつ不倫中の社長夫人とホテルへ。
元良「どうしたんですか、今日はなんだか浮かない顔で」
夫人「最近会長の様子がおかしいの。もしかすると私たちのことに気づいて…
   もう逢うのはよしましょう」
元良「何を言ってるんですか。毎日貴女を想ってこんな辛い思いをしている僕は、もう破滅しているも同然です。会社を追われてどうなろうとも、僕はこれからもあなたと逢いたい」
夫人をガバッと抱きしめる元良。


恋多き女右近さんは、遊び相手に事欠かない毎日。泣かした男は数知れず。
そんな右近がとある超イケメン敦忠君と出会い意気投合。その夜敦忠は右近にメールを贈ります。

・逢い見てののちの心にくらぶれば昔はものを思はざりけり
 (色んな女とつきあってきたけど、お前と逢う前の俺は何も考えていなかったのと同じだよ)
「なんてステキなの!私も同じ気持ち!」
ある日の神社デートで、敦忠はさい銭箱の前でこんな愛の誓いをします。
「神さま、俺は右近のことを一生離しません!」
ところが浮気性の敦忠、恋の熱がさめると他所の女と浮気の繰り返し。
「もーなんでメール来ないのよ!」
モテ女のプライドはズタズタ。自分をこんな目に遭わせる敦忠が許せない。右近は彼に最後のメールを送ります。
・忘れらるる身をば思はず誓ひてし人の命の惜しくもあるかな
「よくも私を捨てたわね。
 でもあなた、神さまに誓ったわよね。神様との約束を破ったんだから…
 あなた、死 ぬ わ よ?」
その後右近の予言(?)通り、敦忠は38歳という若さで他界しました。
おーこわ。

行きずりの恋の歌、不倫の歌、ホラーな歌。

メールでやり取りして、初めて逢った時にはエッチ。そのまんま現代の出会い系に通じるものがありますね。
ただし、当時は高度な教養がないと相手にされないどころか笑い者に貶められたけど。