『鈴なり星』の雑記

こちらは『鈴なり星』の平安時代物語や創作小説以外のブログです

『イケズ花咲く古典文学』


『イケズ花咲く古典文学 入江敦彦
         淡交社¥1400』

この著者の本は何冊か持っていて、『イケズの構造』などは本当に面白くて、
「この人の訳した枕草子なんかは、さぞかし面白いだろうなあ」
と感心しました。で今回の本、かなりの期待を持って購入しました。

十分面白かったんですけどね、正直読むのに疲れました。
知識は豊富だし、京都人が訳した古典はもちろん面白い。京のミヤコに住んだ貴族の屈折した心のヒダは、やっぱ同じ京都人にしか訳せないのかしら~と感心するくらい、この人の訳は好きです。

しかし、あまりにもネット用語を駆使しまくった文章のせいか、読後に、
「この本で、自分の知的な何かが深まったかなあ」と自問する始末。
古典好きで物知りなブロガーの、言葉遊びブログを読んでるようでした。
でもひさうちみちおのイラストはベストマッチ。
京言葉の訳の朗読には上岡龍太郎がぴったりだと思います。