『鈴なり星』の雑記

こちらは『鈴なり星』の平安時代物語や創作小説以外のブログです

『もしも紫式部が大企業のOLだったなら』


『もしも紫式部が大企業のOLだったなら
    井上ミノル著 創元社 ¥1000』

もしも和泉式部紀貫之が自分の会社で働いていたら?
もしも元同僚の清少納言がブロガーになっていたら?
百人一首に登場する人物の生態を現代ドラマ仕立てにしたギャグマンガ

一見初心者対象に思えたんですが、そこそこ平安文学を知ってないと笑えないツボばかりに思えました。

清少納言大っ嫌い!と悪口言いまくりの紫式部がおもしろく描かれてます。『紫式部日記』だけ見ると「ああ性格的に合わなくて書かずにおれない人なのね式部さんて」ですが、この漫画見ると「時代が違ってて接触なかったのに、どうしてここまでネチネチ執拗にキライキライってアピール…怖いわこの人」と改めて引かずにいられない。
千年経ってもちっとも色あせないこのくだり、式部さんは計算してのことだったのでしょうか、それともあの世で書くんじゃなかったと後悔してるでしょうか。涅槃で少納言さんと式部さんが言い合いしても、式部さん下向いちゃって負けそうだし。あ、でも口での言い合いは負けるけど、チャットで罵り合いなら絶対負けなさそうww

お笑いパワーは後半テレビ局編になるにつれヒートアップ、激落ち洗剤で返り血も血まみれ歴史もスッキリ落とし、天の香久山のふもとでのどかに洗濯物を干す奈良在住・鵜野讃良さんが笑える。天徳内裏歌合を紅白歌合戦に例えたのも面白かった。行列のできる律令法律相談所の最強弁護士軍団には実在人物配置して欲しかったな。このトラブルには在原業平弁護士だったらこう回答するだろうなーとか。藤原道綱母なら見解はこうだとか。