『鈴なり星』の雑記

こちらは『鈴なり星』の平安時代物語や創作小説以外のブログです

天理参考館で源氏物語の写本展が開催中です


天理大学附属の天理参考館にて開催中『源氏物語展―珠玉の三十三選』に行ってきました。
(写真タップすると源氏物語展に飛びます↓)


市民には見慣れた建物群でも、他県からお越しの方には若干異様さに圧倒されるとか。
完全なオープン施設なので安心してください。

パンプレットも美しい。


パンフレット裏はこんな感じで全展示目録を掲載↓


写本に携わった歌人・名筆家たちも著名過ぎてすごいんですが、津守国冬という住吉神社神官の「国冬本」の装丁がもう圧倒的に素晴らしくて。緞子(どんす)仕立てでデザインは一緒、そして各帖のカラーが少しづつ違うという超ハイセンスな装丁。それらがずらりと並べられた横には大きくて華麗な蒔絵の箱。その昔、名家のお嬢様がこの箱に写本を収めて嫁入り道具にしたのかなとか想像してしまいます。
金箔をふんだんに使って雲や霞を描いた色鮮やかな絵本も美しかったし、またその逆に墨の極細線だけで描いた白描画絵もシンプルでエレガントで上品の極み。平安女性の髪の流れや公達の頭部の烏帽子や飾りがなまめかしくて清らかでもううっとりです。
11/27まで。どうぞみなさん名筆家たちの手蹟にうっとりしに来てください。

天理図書館、こんなにすごい写本をこんなに大量に所蔵しとったんかいと驚き。これは序の口で、門外不出的にまだまだ大量に隠し持ってるんだろうな。
隠すなんて言い方しましたが、散佚する危機にあった名品たちを保護してくれたのです。文化の発展と保護に感謝した一日でした。