『鈴なり星』の雑記

こちらは『鈴なり星』の平安時代物語や創作小説以外のブログです

「和紙と綿棒が織りなす百人一首八センチの世界」展

 


東大寺総合文化センターで開催中の作品展「和紙と綿棒が織りなす百人一首八センチの世界」を堪能してきました。


地下の小ホールにて展示中です。部屋には薫香の素晴らしい香りがただよい、入室した途端に気分はもう平安時代
じっくり堪能してると「撮影いいですよ」と許可が出ました。

ま じ で?いいんですか!?(歓喜



近衛府の武官束帯姿の美丈夫たちです。綿棒にわたをくっつけてお顔を作ってるとか。手は指が5本、信じられないくらい繊細な作りです。


ずらりと居並ぶ僧侶たち。黒い法衣と色とりどりの袈裟が調和してステキ。全員綿棒で作ったお顔にスッとした鼻が付いてて、清少納言も喜ぶ美僧間違いなし。
枕草子に出てくる積善寺供養の段ってこれくらい大量の僧侶が呼ばれたんじゃないかな。中関白家の絶頂期に行われた法会だもの。数多の美僧たちが整列して美声で声明なんて、清少納言たち歓喜で失神するかも。



百人一首道綱母「なげきつつ」のワンシーン。扇と灯りに和歌が書かれてあります。眠れない夜を独りで過ごす道綱母の一場面でしょうか。


百人一首道信朝臣「あけぬれば」のワンシーン。名残惜しい夜明け前、朝が恨めしいよーとか言いながら、貴公子と姫が抱擁してる場面ですね。


同じく百人一首紫式部「めぐり逢ひて」の一場面。立ち上がり、端近に寄って雲に隠れた夜半の月を見上げているシーンかな。


几帳の向こうの文机には和歌、その傍らには表紙に「源氏物語」と書かれた冊子が。細かな演出にため息が出ます。

どれもみんなステキ。全首分、その和歌にふさわしい所作の和紙人形たちがずらりと展示されています。


姫君とその侍女たちが和歌の書きつけられた手紙をたくさん広げて、楽しくおしゃべりしている場面でしょうか。流れる黒髪ももちろん和紙。ハサミが入らないから細く細く裂いて、髪の毛一本一本コヨリのように作っているそうです。美しすぎ。


床に散らされた手紙を拡大しました。2㎝四方に満たないような小さな和紙に、とてもていねいな美しい文字で和歌が書かれていてびっくり。繊細すぎる。

ホール内、薫香の良い香りがただよっていたのは、和紙人形の保管保存に香料を使っているからだそうです。虫よけですね。

外国人観光客にこの日本文化ぜひ見てもらいたいな。一枚の和紙からこんな素晴らしい立体の人形ができるのだから。驚嘆すること間違いなしですよ。

この作品展、東大寺総合文化センター小ホールにて9月25日(日)まで開催されています。無料です。10:00~17:00、最終日は10:00~12:00です。
美しいものがいっぱい詰まっています。てんこ盛りです。うっとりしてため息つきまくって下さい。