『鈴なり星』の雑記

こちらは『鈴なり星』の平安時代物語や創作小説以外のブログです

十二単は着る人も着せる人も大変な話

今日は図書館でオール読物を10ヶ月ぶんくらい読みまくりました。

酒井順子さんの体験ルポエッセイ「着ればわかる!」が今月6月号で最終回で、テーマは
十二単』。

今回の着付けの流れと平安時代の貴族の着付けが、そんなに大きな違いはないと仮定すると、下着姿のお姫さまが「一丁上がり」になるまで10分や20分では済まないようです。
貴人を世話する衣紋者も最低2人は必要で、前を担当する女房は着る人、つまり貴人と同じ目線になってはいけないそうで、常に膝行で着付け。
「きつくありませんか」「そっちを引っ張ってください」などの会話もダメ。衣紋者同士の会話もダメ。
立っている貴人の負担を少しでも軽くすべく、衣紋者同士はあうんの呼吸でできるだけスムーズに着付けなければならないとか。

衣紋者の仕事もキツイが着る側もキツイ。十二単が15㎏くらいの重量になるのは知ってましたが(著者は数歩歩いてギブアップ)、桧扇(ひおうぎ)もかなり重いと著者が書いてました。現代皇族の妃殿下方が常に同じ位置に桧扇を持ってらっしゃるのは相当大変みたいです。うーん800gくらいのダンベルを定位置にずっと持ち続けるみたいな?絶対ムリ。
衣紋者係の女房の負担も相当だったんじゃないかな。正装の十二単15㎏を身にまとい、膝行しながらの着付けなんて。

そんなこんなでとても面白いエッセイでした。平安衣装に興味のある方はぜひ一読を。