『怪談之怪之怪談 怪談之怪 編
メディアファクトリー¥1200』
京極夏彦・木原浩勝・中山市朗・東雅夫らをホストに、春風亭小朝・中島らも・山岸涼子・高橋克彦ら9名をゲストに迎えた、座談会形式の怪談本です。
「怪談を聞き、語り、愉しむ」ことを目的に掲げたとおり、ゲストの体験した実話などをひたすら聞き、語り、愉しみ、日本の怪談文化に話を発展させているのがなかなか興味深かったです。
幽霊肯定派か否定派かで感想は分かれるところですが、春風亭小朝や露の五郎師匠の話などは、江戸時代からの怪談文化がわかりやすく説明してあり、とても面白かったです。話し方もさすがプロ。何気ない一言にぐっとひきこまれます。個人的には、ゲストはこの二人だけで進めてもらっても、十分満足のいく本だったろうと思います。
ただ、「これは霊じゃなくて、本人の脳内分泌物が見せた幻覚体験では?」的な話もあっちこちに見られたような。特に中島らもや山岸涼子の話など。中島らもなんて学生時代からガチ○○中毒だし、山岸涼子の体験した社宅の心霊体験や猫の怪異話の話っぷりがかなりイタくて、
「幻覚か実話か、とにかくこういう体験をあんな怪談漫画にまで昇華できる技術すごい」
と本気で感心しました。
中島らもも、アル中ヤク中体験を小説にまで昇華させてるし。