『鈴なり星』の雑記

こちらは『鈴なり星』の平安時代物語や創作小説以外のブログです

『男たちの怪談百物語』

 


『男たちの怪談百物語
    メディアファクトリー¥1300』

オビの煽ってるコピーがなかなかカッコよく、前書きがわりの会主口上も、
「押忍(オッス)!一夜かぎりの怪談バトルフィールドへようこそ皆の衆」
と熱い勢いを感じさせるオープニング。仁義なき猛者たちのバラエティ豊かな講談が99話も楽しめるという予感で、わくわくしながら読み進めていったのですが、




なんか、こう、途中から飽きてきた。


深夜1:10、2:10、3:10と次々起きる怪異の第1話。
泥酔してるのに女人禁制の祭りに殴りこむべく車を運転していった女の子の第14話。
「先生、生首がいるー」と言う保育園児の第78話。
怪談会の現場に居れば別でしょうが、本をゴロ寝して読むぶんには、なんか雑念がいろいろ入って話にのめり込めないというか。

数字が規則を持って進む話ってなんだかなー。霊が時計見つつ待機してる想像で萎える。そんな第1話から始まってテンションかなり下がりまくり。
飲酒運転で男祭りに突撃とか、いろんな意味であぶないわそんなん。
4歳児が「なまくび」という言葉を認識してるのもすごい。などなど。

やっつけ仕事的な読書をしてしまったわけですが、途中で飽きてきたのはどうしてなんだろうと考えると、全編どこにも語り手の「押忍!」な熱さを感じられなかったからなんだろうと思います。

後書きがわりの見届人記に、
『密閉した薄暗い空間で夜通し虚実のあわいを行き来するような集いはそれだけで異常なものだろう。性別を固定することで、その異常性に拍車がかかることは予想の内である』
とありましたが、話が進むうちに語り手がどんどん暴走していったとかそんなこともなく、何の拍車もかからなかった。オビに、
「ああ仁義なき怪談実話合戦」
だの、
「恐怖と哀愁の男祭り」
だのすごい期待させるような煽りがあるから、話が進むごとに実話度がどんどんヒートアップするんかと期待してたのが完全な拍子抜け。

感想:「オビまでは面白かった」
まあ好きなタイプの本じゃなかったということです。