『鈴なり星』の雑記

こちらは『鈴なり星』の平安時代物語や創作小説以外のブログです

『兵庫の怖い話』


『兵庫の怖い話━ジェームス山に潜む老紳士━
  宇津呂鹿太郎著 TOブックス ¥1200』

去年か一昨年に関西の情報番組で、ますだおかだの増田が尼崎の商店街をロケしてたんですけど、商店街の小さな店?の狭そうな空間の中テーブルにローソク一本立てて宇津呂鹿太郎氏が商いをしてたんですよ。怖い話を通りがかりの人から聞いて興味があれば一話100円で買い取るというシステム。
「めったに人は入って来ないですねえ。時々子供たちが入ってくるんですよ。『おっちゃんあのな、どうたらこうたらでオレ天狗見てん。怖いやろ。ハイ100円ちょうだい』って。コラおちょくるなって言ったらワアァーってはしゃぎながら出ていきよる。尼の子はクソ生意気ですわ」
そんな主旨のことを宇津呂氏は芸人増田にぼやいておりました。

これを書くにあたり検索すると、当時ひと月に4回ほどその店を開いてたようです。街ブラロケでそんな確率で開店してる日に当たるなんて、やっぱ偶然装ってる風でも街角ロケって事前にちゃんと仕込みあるんやなあ。

まあ地元を大事にするのは良いことだし、地元で怪談ライブやイベントもしておられるようだし応援したい人です。第12話『依頼』などは体験者から聞いた上に自分の足で現地の状況を確認しているし、時間を惜しまない姿勢はとても好感が持てました。
ただ、本文の挿絵がちょっと…うーん挿絵担当者が子供向けと発注聞き間違えたとしか思えない。

あとサブタイトル(ジェームス山に潜む老紳士)を付けた意味がわかりません。ジェームス山関連の話は第15話『開かずの間』くらいだけど、失礼ながらサブタイトルに使うほど力入れた話にも見えず。
兵庫ならではの話が面白かったです。第21話『歌劇』はもっとページを割いて欲しいくらい。