『鈴なり星』の雑記

こちらは『鈴なり星』の平安時代物語や創作小説以外のブログです

『おまえら行くな 冥府巡り編』


北野誠の実話怪談 おまえら行くな 冥府巡り編
         北野誠著 竹書房¥1200』

「おまえら行くな」シリーズ何作目だろう。単行本は全部買ってますが、DVDも多数出てるし、文庫本になった時に同じ内容なのにシリーズ名変わってるし、ラジオでもイベントでも「おまえら聞くな」とか、とても商売熱心な北野誠
この本の随所に「DVDでも紹介した○○」「DVDで取材体験した話」など、まるでDVDとセットで読めば怖さ10倍!のような宣伝があり、ああシリーズを維持し続けるのって難しいのね…というのが正直な感想です。
大好きなんですけどね実話系怪談。

『幽霊より怖い女』『京都保津川で見た怪異』のような、「奇妙な話」はとても面白かったです。
『僕が「話す」とそれは「出る」』…この著者って、ラジオで怪談トーク始めると、しょっちゅう「先ほどから妙な音が聞こえるとリスナーさんからメールが」と言い出すんですよね、サイキック時代から。んで「なんか今いやーなモンの塊が通っていった」という流れになる。そんな話。
『憑いてる女』『心霊素人は怖い』は面白かったです。怪談の仕事のためだけに、心霊スポットから憑いてきた女をそのままにしているという北野誠の話。怪談百物語をした部屋に残って仮眠をとったせいで恐怖体験した漫画家の話。

今までになく怪談文章のテクニックに気を使ってガンバって書きました!というカンジでずっとテンションの低いまま。なので今までのような熱い語り口調が見られずちょっとがっかり。怪談系の突撃ルポってあまりないジャンルなので(ギンティ小林しか知らん)、もっとガツガツしたノリの文章で出して欲しいです。