『鈴なり星』の雑記

こちらは『鈴なり星』の平安時代物語や創作小説以外のブログです

『おまえら行くな 異界探訪編』


『おまえら行くな 異界探訪編 北野誠
         竹書房¥1300』

出れば必ず買ってしまうこのシリーズももう5冊目。
怪異を求めての突撃取材モノは多々あれど、

『アッチの世界から僕を呼ばはるんだからしゃあないんや』

と言い切ってるのは北野誠くらい?心霊スポットの霊たちが、自分に特定の意思を持って心霊的演出してくると北野氏は思っていて、

『あやうく持っていかれそう』
とか、
『手加減ないな、上等やで』
とか書かれてあります。

”あっちの世界の人の気持ちがわかるねん。拒否されてるとか、怒ってはるとか”
と言い切る著者。ここらへんがこの著者の好き嫌いの分かれ目かなとも思います。
躍動感ある文章はとても好き。
ただ、「ある悪意を持った団体(この場合は霊)にいつも見張られ邪魔される」って考えはちょっと北野さんダイジョーブ?と若干心配になったり。

・「1901号」その後
著者の本やトークショーでたびたび披露される、大阪のホテルP19階角部屋で起きる怪現象の後日談。
今まさにその部屋に宿泊している後輩の女芸人から、
「兄さん今シャワールームが何かヘンなんです!」
とSOS電話がかかってきて。。。という話。
怪異現象より恐ろしいのは、
「すっぴんだからフロント呼べない!」
しかも鏡見ながら化粧してる間に何かあったら怖い!と訴える女芸人のくだり。
女芸人にとっては霊を見るよりすっぴんを他人に見られる方が怖いらしいw

淡嶋神社
ガリガリガリクソンの心霊本でも取材に行ってた、人形供養で有名な神社。ガリクソンの本では、供養予定の人形たちの中に浅田マオーという芸人を放り込んだりしてた。同じ現場の取材でも、こうもニュアンスが違うものなんですねwガリクソンの方もけっこう罰あたりなカンジだったけど、こちらでは出る、と言われている地下宝物殿に一泊するという肝試し付き(挫折してるけど)。

・犬神の彼女
由緒正しく動物霊をあやつる黒魔術家系の彼女の話。壮大に怖い話です。しかしいちいち都合よく北野誠たちの行動に邪魔が入るため、こんなファンタジーな話ホンマにあるんかいな〜というのが正直な感想です。