『鈴なり星』の雑記

こちらは『鈴なり星』の平安時代物語や創作小説以外のブログです

『日本人なら知っておきたい日本文学』


『日本人なら知っておきたい日本文学
   蛇蔵&海野凪子著 幻冬舎 ¥900』

ネットで検索すると人気ですねーこの本。一般的に本の検索すると、まず出版社や通販関係のサイトが上位、そのあとレビューが書かれたブログがポツポツと並び始めるつーのが見慣れた検索結果なのに、この本を検索するとまずアマゾン、そのあと高レビューの書かれた個人ブログがずらーと並んでる。自分も読んでとても面白かったんでこういうの何かうれしい。

「名前だけ知ってるあの人」が大好きになる教養コミック!

↑オビのキャッチですがまさにそのとおり。学校で習ったことじゃない話がてんこ盛りです。知らない人は「そうだったんか!」詳しい人は「そういう切り口での説明すごくわかりやすい!」と、どんな人にも受け入れられる一冊だと思います。

菅原孝標女中二病の源氏オタクとして書かれてるけど、著者の言うとおりすごく親近感覚えてなんか好きになるww妄想パワーで浜松中納言物語や夜半の寝覚書いちゃうんだから立派。
藤原道長の競馬中継みたいな出世争いもとてもわかりやすい。一位の冠を取ることがどんだけ大変だったか。幸運の権化のような道長に表向きお追従しながら、裏でネチネチとグチ日記書きまくる実資もイイ。「小右記」で4コママンガ書いてくれんかなこの著者。かなりマジに切望。

吉田兼好徒然草ってオチなし話が多くてあまり興味なかったけど、4コママンガ『ケンコウくん』わかりやすかった。兼好くんが「最近、凝った名前多いよね」とため息ついてるのは116段かな。「人の名も、目慣れる文字を付かんとする、益なき事なり」かな。700年前とは思えない、まるで最近の話題wwキラキラネームに通じる話です。

清少納言の勝気な目つきや物言いもいいし、紫式部がウダウダ悩んでるのもその人らしい。二人が天国で語り合ってる図なんて、ああきっとホントこんな感じで絶対分かり合えないんだろうなーとか笑っちゃう。

この蛇蔵&海野凪子お二人の共著ってかなり強力。海野氏の博識ぶりもすごいけど、評論本なら数ページかけて説明してるところを、ふたコマくらいで読者にわからせちゃう蛇蔵氏の元コピーライターとしての実力もすごい。
続編、出たらいいな~江戸文学とか。ゼンゼン知らないけど、この二人の本ならきっと興味持って読めると思う。