『鈴なり星』の雑記

こちらは『鈴なり星』の平安時代物語や創作小説以外のブログです

『うわさの神仏』


『うわさの神仏 加門七海著 集英社文庫¥514』

3冊発刊されています。其の一、其の二などは第9刷、第5刷と記されているので、こういったスピリチュアル系(と判断)の本としてはけっこう売り上げてる方じゃないでしょうか。

日本闇世界めぐり編は古代の神さまやオカルトうわさ話、あやし紀行編は有名霊地の祭り潜入ルポ、江戸TOKYO陰陽百景編は都内のいわくつき神社仏閣その他を散歩する、ざっくり言うとそんな3編です。が、中身かなり濃いです。このブログでも著者を「全部脳内の出来事」だの「ちょっとしたことでも全部関連づけちゃって」だのわりと冷めた目で見てましたが、この3冊でかなり著者を見直してしまいました。
とにかく歩く。日本全国、さらには台湾まで元気にひたすら歩く歩く。現地での取材、人との交流など、体験することを重視する方なんですね。さらに膨大なウンチク、もとい知識。霊地や神社が大好きで、勉強することも足で歩いて取材することもいとわない方らしい。だいぶ尊敬してしまう。

文体がはしゃいでてかなりアレなんですが、そのぶんウンチクもわかりやすいです。神事って穢れを嫌うはずだけど、神様に捧げる神饌はかなりエグイ物も多いんですね。知らなかった。都内の神社めぐりは著者さんのうきうき感が伝わってきます。
仕事とはいえ、著者さんの趣味全開な3冊。取材、楽しかっただろうなあw